お知らせ

LINEを使用したクマ対策ソリューション | 実機デモ・フィールド実証募集のご案内

お知らせ

汎用型クマ箱罠センサーと、それに連動するLINE通知システムを製品化しました。
つきましては、箱罠実機を用いたデモンストレーションを開催いたします。

箱罠にセンサーを取り付け、クマ捕獲時に管理者へ信号を送達する仕組み自体は、すでに多数の先行事例があります。
しかし本システムは、クマ被害が全国で最も深刻な秋田県において、各専門分野の関係者が結集した「オール秋田」の体制のもと、自らの特許技術を活用して開発された点に特徴があります。

全国への展開を見据えた高い汎用性を備えた汎用型クマ箱罠センサーと、それに連動するLINE通知システムを組み合わせたソリューション『BAL(Bearbox Alert via LINE)』(仮称)を開発しました。

これにより、自治体職員や地区猟友会の皆様が担っているクマ箱罠の管理業務の負担軽減に寄与できると考えています。
なお、実運用に向けたブラッシュアップのためフィールド実証が必要と認識しており、趣旨をご理解のうえご協力いただける秋田県内の自治体様を募集いたします。

1.開発体制

以下の座組・体制で取り組みました。

(1) 箱罠メーカー:株式会社北日本鉄工(代表取締役 鳥潟 剛治)

〒018-4301
秋田県 北秋田市米内沢字中島11番地
電話番号:0186-67-6717
ホームページ:https://r.goope.jp/kitanihon-iw/

オリジナル箱罠「入るベアー2」の特徴

  • 可搬が容易な超軽量75kg設計
  • 箱罠の転倒防止ステー搭載【実用新案提出済】

(2) センサー開発:株式会社ケーエンジニアリング(代表取締役 金野 正史)

〒010-1623
秋田市新屋町字砂奴寄4-11 秋田県産業技術センター 開放研究室6
電話番号:018-896-4304
ファクス:018-896-4305
ホームページ:https://www.k-engi.com/

(3) センシング技術支援:秋田県産業技術センター(所長 杉山 重彰)

〒010-1623
秋田県秋田市新屋町字砂奴寄4-11
電話番号:018-862-3414
ファクス:018-865-3949
ホームページ: https://www.aitc.pref.akita.jp

(4)システム開発:株式会社アキタネット(代表取締役 佐藤 誠)

〒010-0002
秋田市東通仲町2-12
電話番号:018-893-5288
ファクス:018-893-5287
ホームページ: https://www.akitanet.co.jp

※協業 プレイネクストラボ株式会社(代表取締役社長 柏 匠)
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-11-6 サンウェスト山手ビル4F
ホームページ: https://www.playnext-lab.co.jp/

2.『BAL』全体像(イメージ図)

※構成要素に特許出願中技術が含まれます。

3.『BAL』の特徴

(1) センサー部

従来品

  • 赤外線センサー+カメラタイプ式:動物の体温とカメラ画像で検出。
    一般的に高額。設置時に対象とする箱罠とのロケーションが難しい。
    待機電力等の消費電力が大きく、バッテリー(非商用電源)では長時間動作が困難。
  • 磁気式センサー式:扉の開閉を磁気センサーで検出。
    箱罠の扉に改造が必要。
    センサー部が外部に露出している場合が多く、雨雪、凍結での誤作動が生じる懸念がある。
  • ロープセンサー式:くくり罠用のセンサーでロープが引かれると検出。
    設置時に箱罠への造作が必要。扉のセット時にロープもセットする必要がある。
    これを忘れると検出ができない。

 開発品

  • 振動検出式:箱罠の扉が閉まる衝撃を検出する方式とした。
  • センサー、LTE通信、GPS、バッテリーを防水・耐衝撃性に優れたケースにオールインワン
    収納し、ベルトや針金で様々な形状の箱罠に容易に取付けることが出来るようにした。
  • 発信内容:捕獲検出や位置情報の他、装置の正常動作をリモートで監視できるため、装置が故障したときや、熊が装置を壊した等も把握することが可能。
  • バッテリー給電においては(株)ケーエンジニアリング社が保有する特許技術により長寿命化を実現し、1カ月間以上自立稼働できるようにした。

以上により、コストパフォーマンスに優れ、可搬性と、さまざまな箱罠に対応できる汎用性を確保できるものと考えています。

(2)LINE配信システム部

従来品

センサー部からメールで通知されるものがほとんどである。
メールを通信手段とする場合、以下の問題点がある。

  • メールは遅延することがある。
  • 同時多数宛に安易にメールを送信すると、通信キャリアやISPにスパム(迷惑メール)と
    認識され、メールが不到達となる場合がある。
  • 受信先デバイスをスマホ等のモバイル機器と想定した場合
    近年、ユーザーがメールを確認する頻度は低下している。
    キャリアにスパム解除のため送信先ドメインの許可設定の手間を要する。
  • 汎用性を考慮したシステムを検討する際、箱罠が複数あり、また箱罠の管理者が複数いる
    と想定した場合、箱罠個体と、それに紐付けるメール送信先の管理機能が複雑になる。

開発品

  • こんにち最も普及するSNSであるLINEをメッセージ送信プラットフォームとした。
    なお、当該公式LINEアカウントは安全確保のため一般公開型ではなく自治体職員や地区
    猟友会、県警、自衛隊等の管理者のみでの運用されるものとする。
  • ユーザー(自治体・地区猟友会)が管理したい箱罠を任意に、複数を選択する方式とした。
    これにより契約単位での包括管理者の箱罠・利用ユーザーの管理の煩雑業務を回避し、
    また、(個人情報である)メールアドレスの管理業務から解放される。
  • 受信メッセージには箱罠位置情報を付加できる。
    これにより設置者以外の管理者側の状況把握や現場対応者のプラン検討等に役立つと考え
    た。

LINEでのインタフェースは以下のとおりです。

1.『BAL』公式アカウントを友だち登録する

QRコードを読み取る(QRコードはサンプルです)
※クマ対策関係者専用の公式LINEアカウント

2.Welcomeメッセージが送信される
3.受信設定する

管理したい箱罠を選択する。

  • 複数選択できる。
  • 捕捉メッセージは箱罠単位に識別できる内容で受信できる。

※全県域、あるいは他道府県での拡張性を考慮し、市区町村単位に箱罠を管理するインタフェースとした。

※本方式は「LINEセグメント配信」と呼ばれる、ユーザーが欲しい地区や内容を選択して受信できる機能であり、アキタネットとプレイネクストラボが共同受託し運用する『秋田県公式LINEアカウント』にて、「クマダス」「気象情報」「河川情報」等との外部システムと連携している実績のある技術です。

4.選択した箱罠で、クマ捕捉と推測される振動信号を捕捉した時、以下のメッセージが送信される

4. 想定する『BAL』利用料

センサー部、システム利用料についてはご利用単位を自治体と想定しており、そのスケールにより変動すると想定しております。仮定する金額は以下のとおりです。

  1. センサー・LTE通信機:@80,000円程度(スケール等による割引等を検討)
  2. LINE配信システム利用料
    • イニシャルコスト:ご利用スケールに依存
      秋田県全域(約550基中、1/5の100基)とした場合、200万以内を想定。
      (センサー1基あたり:@15,000円)
    • ランニングコスト:ご利用スケールに依存
      秋田県全域(約550基中、1/5の100基)とした場合、
      通信費(LTE前提。Starlinkを除く)・市町村単位の箱罠情報管理費を含み25万円/月額以内を想定。
      (センサー1基あたり:@2,500円/月)

ご参考

センサーBOXの箱罠取付費用…専用ステーを溶接加工する場合の費用は5千円~1万円程度と見込まれます。

※基本的に道府県単位(市区町村共同利用)でのご契約を想定しています。
※ご利用料については別途協議のうえ、個別にお見積とさせていただきます。

5. フィールド実証試験にご協力いただける自治体の募集要項

本システムのフィールド実証試験にご協力いただける秋田県内の自治体、およびその行政区分エリア内で業務委託を受けた地区猟友会メンバーを募集いたします。

目的

クマの挙動、センサー精度、通知発報の頻度、およびユーザーインタフェース改善点などを現場利用者視点で捉える

期間

2026年1月以降開始、2026年3月頃まで(予定)

規模

2~3自治体

提供機器

センサー各2台、専用LINEアカウントのご案内

参加費用

無償提供(機器損傷時の補償は求めません)

条件

以下にご協力いただけること

  • 箱罠を所有されている、あるいは北日本鉄工の専用加工済み箱罠をご購入いただき、無償提供するセンサーを取り付けて本システムをご利用のうえ、アンケートにお答えいただけること。
  • 振動センサーデータを分析するため、捕獲時の現場同行を許可いただけること。

6. 実機を使用したデモンストレーション・機能詳細ご説明のご案内

質疑応答のほか、北日本鉄工の箱罠に取り付けたセンサーの実物をご覧いただけます。

また、参加者各位に公式デモLINEに友だち登録していただき、LINEで受信設定するインタフェースや、クマ捕獲と推測される振動信号を捕捉した際に送信される通知メッセージの受信までの流れをご体感いただけます。

日時

2025年12月23日(火曜日) 13時~16時 
現地ではスタッフがご来場者様に個別対応いたします。

場所

秋田県産業技術センター高度技術研究館
〒010-1623 秋田市新屋町字砂奴寄4-21
電話番号:018-862-3414
実機デモ:正面入り口付近

※同センター一般研修室をお借りして説明会を実施させていただくことも想定しています。

7. 本件に関するお問い合わせ先

箱罠部、センサー部、システム部の個別要件については「開発体制」を参照願います。
また、包括的なお問い合わせは以下にて承ります。

株式会社アキタネット 

担当:北島 裕実(または代表取締役 佐藤 誠)
電話番号(担当):070-1541-1193
電話番号:018-893-5288 メール:bal@akitanet.co.jp

―以上―

参考資料

センサーBOX

箱罠にセンサーBOXを取り付けた様子

箱罠の扉部分に専用ステーを取り付けて設置した場合の例

箱罠の動物捕獲筐体に取り付けた場合の例

※既存の他社製箱罠にも取り付けることが可能です。